肩のインナーマッスル:内回転2

注)このページの筋肉についての解説は「肩のインナーマッスル:内回転1」のページと同じです。

肩から伸びている上腕の骨を、内側に向かって回転させる(内旋)働きをしているのが肩甲下筋(けんこうかきん)というインナーマッスルです。

今回ご紹介するトレーニング法「ライイング・インワード・ローテーション」では、この肩甲下筋を鍛えることになります。

肩甲下筋の構造と働き

肩甲下筋は、その名の通り背中の肩甲骨の内側に張り付くように位置していて、下の図(左側)のように上腕の骨につながっている筋肉です。

肩甲下筋の構造と働き※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。

次に右の図をご覧下さい。オレンジの矢印が筋肉の収縮する方向です。
(肋骨はジャマなので消してあります。)

肩甲下筋が収縮すると、上腕骨を体の正面から巻き込むように引き寄せることになるので、上腕骨を内側に回転させる(青色の矢印)方向に力が働くのがわかると思います。

ライイング・インワード・ローテーション

それではトレーニングの方法を説明しましょう。

ライイング・インワード・ローテーションは、「ライイング」つまり寝転がった状態でインワード(内側)に腕を回転(ローテーション)させるインナーマッスルの筋力トレーニング種目です。

「肩のインナーマッスル:内回転1」のインワード・ローテーションと同様に肩甲下筋を鍛える方法ですが、チューブなどが不要で狭い場所でもできるという長所があります。

STEP1

まずはベンチや床の上など安定した場所に仰向けに寝転がります。

そして写真の様に、肩を鍛えたい方の手でウェイトを持ち、肘の角度が90度になるように体の外側に倒しましょう。ただし手の甲を完全に床につけるのではなく、前腕を斜めにして握った手とダンベルを浮かせた状態にしておきます。

ライイング・インワード・ローテーション ステップ1

なお、手のひらが天井方向を向くようにしておきます。
肘の下にタオルなどを敷いておくと動作が安定しやすいでしょう。

STEP2

次に、肘を支点にしてコンパスで円を描くように、腕を体の内側に向かって回転させましょう。

右腕なら上腕を半時計回り、左腕なら時計回りに回転させる事になります。ウェイトを握っている「手」はリラックスさせて、肩甲骨の下の筋肉が動いている事を意識してください。

ライイング・インワード・ローテーション ステップ2

写真の様に前腕がほぼ床と垂直になったら、こんど逆の動作でゆっくりと倒してSTEP1の姿勢にもどり、後はSTEP1~2の繰り返しになります。

この種目を行う上での注意点

ライイング・インワード・ローテーションを行うに当っての注意点は以下の通りです。

なお、初めてインナーマッスルのトレーニングを行う方は、「インナーマッスル基礎知識」「トレーニングの前に」のコンテンツを必ずご覧下さい。

動作の速度について

引っ張る時はスッと一息で、戻す時はややゆっくり戻します。

動作速度のイメージ

時間で言うと、力を入れる時は0.5秒くらい、戻す時は1秒くらいになると思います。

厳密に時間を測る必要はありませんが、1回の動作を1秒~1.5秒くらいで行うことを目安としてみてください。

動作の範囲について

肩甲下筋が十分に働くのは、腕をまっすぐ前に出した姿勢を基準として内側・外側ともに大体45度くらいの範囲です。

肩甲下筋に負荷がかかる範囲

ライイング・インワード・ローテーションではダンベルの負荷を利用して筋肉に負荷をかける種目です。

普通のインワード・ローテーションよりもやや腕を外側に開いた状態から動作をスタートしますが、無理をして腕を外側に回転させ過ぎないように注意してください。

また、この種目では前腕を垂直よりも体の内側まで回転させた状態では筋肉に負荷がかかりにくいので、腕が床と垂直になったらまたすぐに倒した方がトレーニング効果は得やすいと思います。

腕を内側に倒した姿勢では、筋肉に負荷がかかりにくい

手首の状態について

この種目はあくまでも肩のインナーマッスルのトレーニングですから、手首に力が入り過ぎないようにしましょう。
手はリラックスさせて、手首も曲げずにまっすぐな状態を保っておくのが基本です。

負荷の強さとセット数

20~30回でほどよい疲労を感じるようにダンベルの重さを調節して下さい。
標準的なセット数は2~3セットです。

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