脚腰のインナーマッスル:脚の外回転

注)このページの筋肉についての解説は「脚腰のインナーマッスル:脚の挙上2」のページと同じです。

腸骨(腰の骨)と大腿骨(太ももの骨)をつないでいるのが、外旋筋群(がいせんきんぐん)というインナーマッスルです。

今回ご紹介するトレーニング法「ライイング・ニー・スプリット」では、この外旋筋群を鍛えることになります。

外旋筋群の構造と働き

まずは左の図を見てください。
外旋筋群というのはその名前の通り、複数の細かい筋肉の集まりです。

外旋筋を構成しているのは、梨状筋・上双子筋・下双子筋・外閉鎖筋・内閉鎖筋・大腿方形筋の6つの筋肉ですが、トレーニングを行う上ではとりあえず一つのまとまった筋肉として理解しておいても問題ないでしょう。

外旋筋群の構造と働き※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。

下の図は体の後側、つまり背中側から見た骨格と筋肉の構造を表したものですが、外旋筋群がオレンジの方向に収縮することにより、大腿骨が体の外側(青い矢印の方向)に向かって回転する力が生まれます。

また、外旋筋群は骨盤を外側から支える事で、その位置を正しく保つ役目も果たしています。

ライイング・ニー・スプリット

それではトレーニングの方法を説明しましょう。

「ライイング」というのは寝転がった状態のことで、ニー・スプリットはヒザを開脚するように開くこと。

つまりライイング・ニー・スプリットは寝転がった状態でヒザを体の外側に回転させる事によってインナーマッスルを鍛えるトレーニング種目になります。

STEP1

まずは横向きに寝転がった状態から、下のように片脚を伸ばし、片足を曲げた体勢をとってください。

上になった方の足のかかとを、下になった方の脚のヒザにくっつけるようにして倒します。

ライイング・ニー・スプリット ステップ1

STEP2

準備ができたら、股関節を支点にしてヒザをパカッと外側に開きます。
このとき、体や腰をひねって脚を開かないように注意してください。

ライイング・ニー・スプリット ステップ2

動かしていいのは太ももから先だけです。

STEP3

次に、ヒザを立てた方の脚をゆっくりと伸ばしていきます。

ライイング・ニー・スプリット ステップ3

かかとを床の上でスライドさせるようなイメージで行ってみてください。脚を伸ばしていくときに、つま先は上に向けたままにしておきましょう。

ライイング・ニー・スプリット ステップ3

上の写真のように脚を伸ばし切ったら、今度はフィルムを巻き戻すように逆の動作を行います。

ゆっくりヒザを曲げてSTEP2の姿勢に戻り、そしてさらに立てたヒザを倒してSTEP1の姿勢に戻るわけです。
その後、またヒザを開いて2回目を開始します。

この種目を行う上での注意点

ライイング・ニー・スプリットを行うに当っての注意点は以下の通りです。

なお、初めてインナーマッスルのトレーニングを行う方は、「インナーマッスル基礎知識」「トレーニングの前に」のコンテンツを必ずご覧下さい。

動作の速度について

他のインナーマッスル・トレーニングに比べるとややゆっくりとした動作で行う種目です。

管理人の場合はヒザを開く、又は閉じる動作に1秒程度、脚を曲げる・伸ばす動作にそれぞれ2秒程度として1レップあたり4~5秒で行っています。

トレーニング中の姿勢について

ライイング・ニー・スプリットでは腰から上半身までの体勢を変えずに脚だけを動かす事が重要です。

腰の軸を回転させない

股関節の硬い人はヒザがまっすぐ上に向くまで脚を開けないかもしれませんが、無理をして体や腰をひねっては意味がありませんので、可能な範囲で股関節だけを開くようにして下さい。

セットの途中で力を抜くこと

筋力によほど余裕がある場合を除いて、脚を一回上げるごとに床に下ろして筋肉をリラックスさせた方が良いでしょう。

疲れてくると脚や腹筋などに無駄な力が入り、アウターマッスルが運動に参加しやすくなります。

負荷の強さとセット数

20~30回が目標回数ですが、ほどよい疲労を感じる程度の回数を1セットとしてください。
標準的なセット数は2~3セットです。

※当サイトへのリンクを歓迎いたします。
(管理人へのご連絡は不要です)
PAGE TOP