脚腰のインナーマッスル:脚の挙上1

背骨や骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつないでいるのが、腸腰筋というインナーマッスルです。

今回ご紹介するトレーニング法「ダイアゴナル・レッグレイズ」では、この腸腰筋を鍛えることになります。

腸腰筋の構造と働き

まずは左の図を見てください。

腸腰筋(ちょうようきん)は大腰筋(だいようきん)と腸骨筋(ちょうこつきん)という二つの筋肉を合わせたときの呼び名で、大腰筋は背骨と大腿骨を、腸骨筋は骨盤と大腿骨をつないでいます。

腸腰筋の構造と働き※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。

この二つの筋肉の働きを示したのが右の図です。

腸腰筋がオレンジの矢印方向に収縮し、青い矢印のように大腿骨(太ももの骨)が根元から持ち上がる力が発生します。

また、腸腰筋は背骨や骨盤と大腿骨の位置関係を調節する役目も果たしています。

ダイアゴナル・レッグレイズ

それではトレーニングの方法を説明しましょう。

「ダイアゴナル」というのは「斜め」という意味で、まっすぐ脚を上げる通常の「レッグレイズ」の変形版といった感じのインナーマッスル・トレーニングです。

STEP1

まずは両腕を広げて床に仰向けになってください。
筋肉を鍛える側の脚を体から約45度方向に伸ばして、つま先はやや外側に向けておきます。

ダイアゴナル・レッグレイズ ステップ1

反対側の脚はヒザを曲げて、外側に開くようにしましょう。
しっかり股関節を開くことで腸腰筋がストレッチされます。

STEP2

準備ができたら、伸ばした方の脚をやや外側に回転させながら(つま先を体の外側に向けながら)ゆっくりと上げていきます。

このとき、曲げている方の脚はできるだけ動かさないように注意してください。

腹筋や脚の筋肉ではなく、太ももの骨の付け根にある筋肉を使っているという意識が大切です。

ダイアゴナル・レッグレイズ ステップ2

さらに、次の写真のように垂直に近い角度まで脚を上げていきます。

ダイアゴナル・レッグレイズ ステップ2

脚を上げきったら今度は全く反対の動作でゆっくりと下ろしてSTEP1の姿勢に戻ります。
足を床に下ろして一度筋肉をリラックスさせてから、また脚を上げる動作を繰り返しましょう。

この種目を行う上での注意点

ダイアゴナル・レッグレイズを行うに当っての注意点は以下の通りです。

なお、初めてインナーマッスルのトレーニングを行う方は、「インナーマッスル基礎知識」「トレーニングの前に」のコンテンツを必ずご覧下さい。

動作の速度について

他のインナーマッスル・トレーニングに比べるとややゆっくりとした動作で行う種目です。
(管理人の場合は、脚を上げるとき・下げる時ともに2~3秒を目安にしています。)

セットの途中で力を抜くことについて

ダイアゴナル・レッグレイズは脚を上げる方向と、つま先の向きが重要になる種目です。

つま先を上方向に向けてしまったり、脚を体の中心線に沿って真上に上げてしまうと、大腿四頭筋などのアウターマッスルが働くことによってトレーニング効果が半減するので注意してください。

つま先を外側に回転させる

あくまでも足首は外側に回転(外旋)させながら、脚は45度方向に持ち上げるのが基本です。

セットの途中で力を抜くこと

筋力によほど余裕がある場合を除いて、脚を一回上げるごとに床に下ろして筋肉をリラックスさせた方が良いでしょう。

疲れてくると体に無駄な力が入り、アウターマッスルが運動に参加しやすくなります。

負荷の強さとセット数

20~30回が目標回数ですが、ほどよい疲労を感じる程度の回数を1セットとしてください。
標準的なセット数は2~3セットです。

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