腹部のインナーマッスル:腹式呼吸2

注)このページの筋肉についての解説は「腹部のインナーマッスル:腹式呼吸1」のページと同じです。

普通の筋力トレーニングで鍛えている腹筋よりもさらにお腹の深いところにあるのが、腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群という名前のインナーマッスルです。

運動する時に意識する事はあまり無いかもしれませんが、胴体を支える重要な筋肉なので、ぜひ鍛えておきましょう。

今回ご紹介するトレーニング法「アブドミナル・スクイーズ」では、腹部のインナーマッスルを鍛えることになります。

腹部インナーマッスルの構造と働き

腹部のインナーマッスルは数が多いので、1つずつ解説しましょう。

腹横筋

腹横筋※機能解剖学ソフトウェア「解体演書」の画像を加工して使用しています。

まずは腹横筋(ふくおうきん)。これはお腹をコルセットや腹巻きのようにお腹をぐるりと巻いた筒状の形をしています。
(上の図では背骨が見えるように、左側上部の腹横筋を切り取った状態で表示しています。)

多裂筋

多裂筋

多裂筋(たれつきん)は背骨の横の突起から、さらに上の背骨へとつながっている筋肉です。
体をねじる運動を助けたり、背骨を安定させる役割を果たしています。

横隔膜

横隔膜

横隔膜(おうかくまく)は呼吸をコントロールする筋肉としておなじみです。腹横筋でできた「筒状の構造」の上をふさぐように存在しています。

骨盤底筋群

骨盤底筋群

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)は骨盤の底にある細かい筋肉の総称です。
肛門周囲にあり、腹横筋でできた「筒状の構造」を下から支える役割を果たしています。

上記の4つの筋肉がお腹の中で大きな風船のような構造を作り、呼吸をしたり運動を行う時に人体の胴体部分を安定させているのです。

クラウリング・アブドミナル・スクイーズ

それではトレーニングの方法を説明しましょう。

クラウリングとは「四つんばいの状態」のことで、アブドミナル・スクイーズはお腹をしぼるように腹式呼吸の動作を行う事によって腹部のインナーマッスルを動かすことを意味しています。

予備練習

さて、実際のトレーニングに入る前に、簡単な練習を行ってみましょう。

まずはリラックスできる姿勢で四つんばいになってください。
次に左下の写真のように、やや背中を反らして頭を上げながら、お腹に深く空気を吸い込みます。

クラウリング・アブドミナル・スクイーズ予備練習

そしてその後に、体を右の写真のように前に丸めながらお腹をしぼるようにして息をゆっくり吐いて行きます。
そのまま息を吸う→吐くを何度か繰り返しましょう。
・背中を反りながら息を吸う
・背中を丸めながら息を吐く

という動作は、人間にとって自然な体の動きなので、恐らく簡単にできると思います。

STEP1

それでは、いよいよトレーニング本番に入ります。
四つんばいになるところまでは予備練習と同じですが、今度は背中を丸めながら息を吸ってください。

つまり、姿勢と呼吸の関係が予備練習の時とは逆になるのです。

クラウリング・アブドミナル・スクイーズ ステップ1

つまり、姿勢と呼吸の関係が予備練習の時とは逆になるのです。

STEP2

次に、背中を反らしながら、お腹の下の方から空気をしぼり出すつもりで息を吐いていきます。
これも予備練習の時とは逆ですね。

クラウリング・アブドミナル・スクイーズ ステップ2

その後はSTEP1にまた戻って、何度か呼吸を繰り返しましょう。

この種目を行う上での注意点

クラウリング・アブドミナル・スクイーズ を行うに当っての注意点は以下の通りです。

なお、初めてインナーマッスルのトレーニングを行う方は、「インナーマッスル基礎知識」「トレーニングの前に」のコンテンツを必ずご覧下さい。

動作の意味について

クラウリング・アブドミナル・スクイーズではあえて自然に呼吸を行う時とは反対に体を動かすということをします。

それによってアウターマッスルである腹筋や背中の筋肉の力を借りずにインナーマッスルを動かすようにするわけです。

初めはちょっと戸惑うかもしれませんが、慣れてくるとお腹や腰周りのインナーマッスルが収縮している感覚がつかめるようになるでしょう。

呼吸法について

クラウリング・アブドミナル・スクイーズは、ある程度腹式呼吸をマスターしていることが前提になる筋トレ種目です。

「腹式呼吸って何?」という方は、まず「腹部のインナーマッスル:腹式呼吸1」で腹式呼吸の練習をすることをオススメします。

負荷の強さとセット数

20~30回が目標回数で、標準的なセット数は2~3セットです。
ただし、息苦しさを感じるような時は、無理をして連続で行わないようにして下さい。

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